健太、斧を取れ!
by クリストファー・ベルトン
訳: 渡辺順子


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著者・訳者の紹介

クリストファー・ベルトン 渡辺順子
1955年英国ロンドン生まれ。処女作『Crime sans Frontieres』がイギリスの芥川賞ともいえるブッカー賞候補となり話題になる。2003年に『Isolation』、2004年に『Nowhere to Run』を発表。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで発売された。日本人女性と結婚し、78年以降は日本在住。日本ではノンフィクション・ライターとして、『「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本』(Vol.1〜Vol.7)、『ハリー・ポッターと不思議の国イギリス』、『英単語 語源ネットワーク』、『知識と教養の英会話』、 『英語は多読が一番!』など多数の著作がある。 立教大学文学部英米文学科卒。書店勤務を経て翻訳家に。訳書にベルトン氏とタッグを組んだ『「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本』シリーズ、『ハリー・ポッターと不思議の国イギリス』、『英語は多読が一番!』など多数。河童伝説が残る東久留米市在住。






クリストファー・ベルトンからのメッセージ 渡辺順子からのメッセージ
 私は、「ピーター・パン」、「ふしぎの国のアリス」から「ナルニア国ものがたり」、「ハリー・ポッター」などに至るまで、ベストセラーとして知られているイギリスのファンタジー文学を長年にわたって研究してきました。その結果、他の国で書かれているファンタジー小説には見つけることができない多くの要素、物語の設定、主人公の描き方、読者を巻き込むリアル感、伝統や伝説の導入方法、物語の裏に隠れている読者へのメッセージなど、さまざまな秘密を解き明かしたように思うのでした。それらの研究成果を、大好きなイギリスの文学と大好きな日本の文化を組み合わせて、さらに面白い物語を作れるはずだと確信して、本書を作りました。
 イギリスのファンタジー小説と日本の素晴らしい文化や伝統、伝説を絶妙に合体させて書き上げた結果が、この「健太、斧を取れ!」です。原文は英語で書きましたが、英語として出版する目的ではなく、日本語のオリジナル小説として出版したいと思い、今まで私の数々の作品を翻訳していただいた渡辺順子さんにお願いして日本語にしてもらいました。日本の読者に向けて集中して書きましたので、「翻訳本」とは一味違う、日本語のオリジナル小説として仕上がっていると自負します。ぜひ、読んでみて頂ければうれしいです。




 この物語を訳し終えた今、いちばん印象に残っているのは雑木林の光景です。座敷童子ダイチに導かれて神社の裏山に足を踏み入れた瞬間から、健太の冒険が始まります。住宅地からほんの少ししか離れていないのに、一歩足を踏み入れればそこは別世界。しんと静まり返った林のなかには不思議な空気が漂い、木々の陰になにかがひそんでいるような気がしてきます。
 この物語には、日本人なら誰でも覚えがありそうなこうした感覚が見事に描かれているだけではなく、河童や天狗など、私たちにとってなじみ深い生き物がたくさん登場します。その一方で、日本人では思いつかないような発想や外国風の味つけも見られ、日本とイギリスの文化をよく知っているベルトンさんならではの世界が繰り広げられます。
 日本で出版されたベルトンさんの著作は、これまで英語の学習書がほとんどだったのですが、このような物語の本こそ、頭のなかに次々とおもしろいストーリーがわき出してくるというベルトンさんの本領が最も発揮されていると言えるでしょう。
 さあ、みなさんも健太や美咲とともに「再生者」の目で世界を見ながら、冒険に乗り出してください。なにしろ、みなさんも14歳になったら「きみは再生者だ」と告げられるかもしれませんし、次に生まれ変わるときは再生者になるかもしれないのですから。


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